まいにちくらくら

アニメの考察感想とか

京アニのお別れ そして志を繋ぐ式に参加してきました

先日11月3日、京都アニメーションの「お別れ そして志を繋ぐ式」に参加してきました。

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お別れ そして志を繋ぐ式」は、7月に起きた痛ましい事件で犠牲となってしまった方々へのお別れを告げる場として、京都アニメーションさんが設けてくれた場です。

事件当時は、どうにも現実が受け止められず、ただただ怖さと悲しさが募って、京都に行って献花をすることができなかったため、大変な時にも関わらず、今回こういった場を設けていただけたことには感謝しかありません。


思えば、私は中学生の頃、「涼宮ハルヒの憂鬱」で京都アニメーションを知り、それ以来京アニが作成する様々なアニメ作品に触れてきました。


父とどうにもうまくいかなくて、家にいるのが苦痛で仕方なかったとき「CLANNAD」をみて家族の大切さを知りました。
何度見ても、After storyの17話からの流れは涙が止まりません。

ハルヒは原作も大好きになり、「涼宮ハルヒの消失」を初めて見たときは、あまりのクオリティの高さと上映時間に度肝を抜かれました。
今見返してみると、京アニの気概と作品に対する真摯さを感じる作品です。

けいおん!」をみてカラオケに行くのがとても楽しくなりました。アニメの演出に興味を持つようになったのもこの作品のおかげです。

今まで生きてきて一番辛かった時期に「氷菓」が放送されていました。
楽しかった高校時代に思いをはせながら、その完成度の高さに圧倒されました。
スタッフに興味を持つようになったのもこのころからです。
円盤を買って、今でも1年に一度は必ず見直す大好きな作品です。原作も全て読み、原作者さんの本も読み漁りました。

たまこまーけっと」「たまこラブストーリー」は本当に巧みな演出やコンテが多くて、そういった面の知識がとても増えましたし、興味もさらに持てました。

漠然とした不安ある未来に対して、ただ闇雲に頑張るしかなかった時期に「響け!ユーフォニアム」が放送されていました。
もともと好きだった吹奏楽をテーマとし、ひたむきに夢に向かって頑張ることの大切さを知りました。
この後つづくシリーズとして、現在進行形で応援し続けている作品です。

映画 聲の形」は、初見では辛い映画であるという印象を持っていましたが、2回、三回と繰り返しみるたび、扱う重いテーマの意味とその巧みな演出に心奪われました。今のやっていること、今の私があるのはこの作品があったからです。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、ずっとずっと期待して待っていた作品でした。初めてCMを見たとき、本当に曲も作画も演出も美しくて心奪われました。放送された本編も期待以上のもので、本当に楽しかったです。
映画として公開された外伝も本当に美しく素晴らしい作品でした。


これら以外にも、素敵な作品がたくさんありました。
このように、私の今まで生きてきた中で京アニの作品はなくてはならない存在でした。京アニの作品がなければ、今の私はないです。

スタッフの方達と面識があるわけではないです。京アニショップにも一度しかいったことはありませんでした。
でも、好きな作品を何度も何度も見返して、その作品から感じる思いがありました。
コメンタリーや書籍のインタビューなどを読んで、作品に対しての熱や気概を感じました。

京アニは、スタッフブログを常設していたり、放送される1話ごとにスタッフのコメントが載っていたりしたのも、スタッフが身近に感じられた理由の一因になっていると思います。

気づけば、京アニの作品だけでなく、スタッフの方達も大好きになっていました。
本来、11月3日は京アニのファン感謝イベントが開かれるはずでした。
私もそれに参加し、初めてスタッフの方とお会いできる機会が得られる、そう思っていました。でも、そんな矢先に事件が起きてしまいました。


そんなスタッフの方達に、お別れを告げるのはとても辛いことです。今でも受け止めたくない気落ちがあります。

失われた可能性は計り知れないです。
それよりも、世界中に幸せを届けてくれた方々がなぜこんな仕打ちを受けなければならないのか、どうにも受け止められませんでした。
私とほとんど変わらない年齢の方も被害に遭われていました。その無念を思うとどうにもこらえきれないものがあります。


でも、いつまでも落ち込んでいては何も生まれません。前を向かなくてはなりません。

私にできることは、今まで以上に作品を楽しんで、その魅力をもっといろんな人に知ってもらって、少しばかりの支援をすること。

お別れ そして志を繋ぐ式」は、改めて悲しみを乗り切り、心を整理して、前を向くきっかけを与えてくれました。

会場には、老若男女本当に様々な人たちがいました。あらためて、幅広い層に愛されていたことを知りました。
会場には、私と同じ気持ちを持って苦しんだ方達が多数いたのでしょう。
ほとんどの方が泣いておられました。私の前にいた女性の方は、会場に入られる前から涙を流されていました。


会場では、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の曲が流れており、八田社長のコメント、そして世界中の人たちから届けられた応援メッセージなどが展示されていました。
そこを抜けると、大きな祭壇が置かれており、そこでお祈りをする形でした。

そして、私にお祈りの番が回ってきました。
祭壇を目の前にして、私は耐えられませんでした。

手を合わせて、目を瞑って。

でも、涙が溢れて、嗚咽が漏れて。

色々考えていたお祈りの言葉も、全部頭から消えてしまって。

ただ、「今までありがとうございました。安らかに眠ってください」と祈り、その場を後にしました。

もっと伝えたいことがありました。もっといえば、ご存命のうちに直接お伝えしたかった。そう後悔せざるを得ません。

でも時間は戻すことはできないのです。
このお別れを受け止めなくてはなりません。


同じファンの方達と共に涙を流し、お祈りをし、お別れを告げた。これには大きな意味があったと思います。

こういった場を設けてくださり、その場にこれだけ多くのファンが集まったのは、今までファンを大切にしてくれた京アニだからこそだと思います。

八田社長のコメントにもあった通り、京アニの社員の方達はその多くが現場に復帰しているとききます。
志を同じくする仲間を失ったのです。想像を絶するほどの辛さがあるでしょう。本当に敬服いたします。

1ファンである私が、いつまでも悲しみに暮れていることは、京アニの為にもならないのです。

11月5日の朝には「バジャのスタジオ」がはじめて放送されました。
犠牲になられた木上益治さんが監督をなされた作品です。

録画していたので帰宅してから見ようと思っていたのですが、宿のラウンジで他のお客さんがチャンネルを変えてくれたので、リアルタイムで見ることができました。
(その方はFree!のファンの方でした)

はじめて見たのですが、本当に暖かく素晴らしい作品でした。
どこか第一スタジオの面影を感じる背景に、メガネが特徴の監督など、実際にモデルが感じられる作品でした。
エンドクレジットで、スタッフの方々のお名前が流れてきて、耐えられなくなりその場を去りましたが、帰宅後もう一度見直して涙を流しました。

今回同時に京都宇治で聖地巡礼をしたのですが、いく場所場所にファンの方がいました。さまざな場所にファンの方がいて、それだけ多くの方に愛されている作品を作っていたのだと改めて感じられました。

来週には、作品のコンサートや定期演奏会があります。そのポスターには、おそらく新たに描き下ろされたであろう「久美子」「遥」「ヴァイオレット」の姿がありました。

被害に遭われ、私たちがもうそのお仕事を見られない方々がいます。久美子と遥は、育ての親とも言える方に、新たにその姿を描かれることはありません。
でも、志は繋がれているということが感じられました。それぞれのキャラクターの手には花が添えられており、素晴らしいイラストとなっていました。


新作映画も鋭意製作中であるそうです。
私には、ただ公開を待ち続けることしかできませんが、いつまでも待ち続けます。


最後に、「お別れ そして志を繋ぐ式」で会場に入る際、いただいたポストカードの写真を載せて、犠牲になってしまった36名の方々のご冥福を祈って、今回は終えたいと思います。

これからも、ずっとずっと京都アニメーションを応援し続けます。
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